英ポンド/円相場は、150~151円水準まで値位置を切り下げる展開になっている。特にポンドサイドにネガティブな材料などは見当たらないが、主要通貨に対して円高圧力が継続する中、ポンド/円相場の地合も悪化している。対米ドルでは寧ろポンド高が進行しており、円の地合の強さが目立つ状況にある。
6月6日に開催されたイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)であるが、政策金利は0.50%、資産買い取りプログラムは3,750億ポンドでそれぞれ据え置きとなった。決して景気見通しが良好という訳ではないものの、各種経済指標は特に政策対応を急ぐ必要性を高めておらず、様子見という選択肢が採用されている。7月の中銀総裁交代によって再び緩和議論が活発化し易いが、実体経済に大きな変化が生じなければ英緩和政策の展開が加速するリスクは限定されよう。今後も経済指標から景気温度を計る展開が続く見通しであり、ポンドサイドから大きく仕掛けることは難しいだろう。
一方、日本政府は12日の産業競争力会議において、企業の生産設備の更新などを促すための法人負担軽減策などを打ち出している。ただ、具体策は秋の臨時国会に提出される予定であり、現段階でのマーケットの評価は定まっていない。ただ、少なくとも成長戦略で改めて円安圧力を強めることには失敗しており、ポンド安・円高傾向の反転を促すことに失敗している。円相場次第の展開となりつつあるが、全般的に決め手に乏しく、ポジション調整中心の小動きに終始しよう。
今後1週間の予想レンジは、147.25~153.00円。